総会挨拶

ご 挨 拶

会長 谷口 進

 本日は、令和5年度第19回総会にご参加いただきまして誠にありがとうございます。会員の皆さま、要約筆記の方々、関係者の方々には協会を支えていただき深く感謝申し上げます。
 2020年の年末年始から3年以上も続いている新型コロナも、変異を繰り返しながら少しずつ弱毒化していきました。そして今年の5月8日、季節性インフルエンザと同等の扱いとなる第5類に分類されました。
 このような経緯のさなか、協会は縮小していた事業を徐々に緩和させ、昨年11月には長島愛生園を見学しました。香川県・徳島県の難聴者を招いて県内外から40名が参加しましたが、大型バス2台に分乗して席に余裕を持たせるなどコロナ予防対策を徹底しました。サン基金様には要求に応じた助成を頂き本当に助かりました。おかげさまで安心して学び見識を広めることが出来ました。
 徐々に戻りつつある日常生活ですが、私達難聴者のとりまく環境は厳しいものです。聞こえない、コミュニケーションがとれないからという理由で周りの人と関わっていけないのは合理的配慮がまだ社会に浸透していないからだと思っています。
 高齢難聴になると家族間で疎外感を感じる人が多いと聞いています。聞こえないことを放っておくと認知症になるリスクが非常に高くなります。そうなると本人も周りも困ります。難聴と認知症の関係は国において議論されていますが、補聴器をつけることでコミュニケーションもとれ、予防が出来るはずです。
 補聴器は進歩しているとはいえ、万能ではありません。以前よりテレビの音声や遠くの声が聞きやすくなった反面、近くの音も良く聞こえ、混乱することあります。フィッティングで改善されますが、メーカーや機種により音色も違い、更新するごとに調整が必要でしょう。辛抱に調整を繰り返しながら少しでも聞こえを取り戻すことができれば、豊かな人生を歩むことが出来るはずです。日進月歩の技術ですので、認定補聴器技能者も日々研鑽しています。購入される場合は難聴者の立場で販売する専門店でご購入下さい。
 最後に一つ、岡山県では瀬戸内市と備前市が高齢者に補聴器の購入代金を一部補助しています。これらの市は正しい判断をされたと思いますし、長期的に経済や財政のみならず、あらゆる分野で効果が表れるものと確信しています。倉敷市も国の対応を待つことなく導入していただきたいと強く願っています。
 皆さまのご健勝とご多幸をお祈り申し上げ、わたくしのご挨拶とさせていただきます。