総会挨拶

ご 挨 拶

会長 谷口 進

 本日は、令和6年度第20回総会にご参加いただきまして誠にありがとうございます。会員の皆様には協会を支えてくださり、また、要約筆記の方々、関係者の方々には多大なるご支援をいただきまして深く感謝申し上げます。
 昨年度は、コロナ禍で控えていた料理教室を再開、そして初事業として手話講座を毎月1回実施いたしました。皆様と過ごせた時間が増え笑顔もみられたことをうれしく思っております。
 手話講座は難聴者・中途失聴者のための講座であり、情報保障をつけて手話を学ぶ機会を設けたものです。今までは倉敷市社会福祉事業団が船倉町で実施していましたが、対象者が市内在住かつ初心者という条件があり学べる機会を失う人が出てきました。また、私たちが手話サークルや要約筆記がない講座で手話を学ぶことはハードルが高いため、当協会が単独で実施するに至りました。
 手話は見て覚えるものであり、受講者は講師の手話と要約筆記が同時には見えないというジレンマがあるため、ゆっくりでも確実に学べるよう試行錯誤しながら進めております。未だに暗中模索しているところですが成果がでるよう努力してまいります。またこの手話講座にあたっては橋本財団様から全額に近い費用を助成していただきましたこと、更には今年度も継続できることになりましたことをこの場を借りて皆様にご報告致します。
 一方やらなければならない課題があります。高齢難聴になるとコミュニケーションが難しくひきこもりがちになります。放置すれば認知症になるリスクが非常に高くなり、本人も周りの人も困ります。補聴器は聴力の低下が進行してからつけると、調整しても慣れるのに時間がかかり拒絶反応を起こすこともあるでしょう。聞こえにくいと気づいたら一刻も早く装着するべきと思います。そのためには聴力検査を受けやすい環境と購入しやすい環境が必要ではないでしょうか。岡山大病院聴覚支援センターと岡山県耳鼻咽喉科医会は聴力検査専用の検診車を導入し地域を巡回しています。簡易チェックで異常が見つかった人に対し、耳鼻科の受診や補聴器の使用を促しています。また補聴器購入代金の補助を、岡山県では瀬戸内市、備前市、吉備中央町が導入済み、そして今年度から岡山市も導入を決めています。財源が厳しくてもしっかりと補助をして難聴の方々に補聴器をつけてもらうことで生活の質が上がることは勿論、社会に参加することでより豊かな街づくりに貢献できると考えています。当協会は倉敷市へ令和元年度に導入を要望しましたが、再度強く要望してまいります。
 最後になりましたが、皆さまのご健勝とご多幸をお祈り申し上げ、わたくしのご挨拶とさせていただきます。